実験室 All-in-One 管理
医薬、ケミカル、食品飲料メーカーにとって、実験室は必須不可欠の存在です。このソリューションを提供してる会社はすでにジョンソン&ジョンソン、BASF、サントリー、パナソニック・ヘルスケア、メルク製薬、SGS世界的に有名な企業を顧客としています。今日はこのDXソリューションを紹介すると共に、アクセンチュアが実験室に対するレポートも共に皆さんにシェアしたいと思います。
医薬化学実験室
DXA
2/23/20231 min read
下記はビデオを元に作成した文字のみの内容となります。
Highlights
実験室内の機器、部品、原料全てのデータをデジタル化、リアルタイムの把握と追跡が可能
棚卸速度が 60% アップ、在庫統計効率が 97% 向上、従来4人必要な所を1人で
作業指示の平均応答時間は 20 時間未満、応答待ち時間 5% 減少
故障件数は17%減、平均故障修理時間は35%短縮、維持費は30%減
非稼働時間中の機器の待機電力消費量 13.5% 減
機器使用率は一日 28% から 62%に増加。高値の機器の使用率は 85.2% に達し、機器のROI を大幅に改善
Industry
産業によって、実験室管理の特徴や詳細は異なるものの、共通とする部分は多いため、その辺について紹介したいと思います。この図を通じてみていきましょう。
リソースのスケジューリング:は実験に使うデバイス、サンプル、消耗材を決め、実験時の時間帯、数量、実験の長さなどを割り当てます。実験室のオペレーションでもっとも重要なものでもあります。サービス管理:は実験室デバイスの修理、メンテナンス、及びその他任務を外部に委託する際の管理事項となります。
在庫管理と化学品管理は分かりやすいと思いますが、化学品管理は一倍以上の注意が必要です。何故なら、ちょっとした不注意で爆発に繋がったり、故意殺人に使われる可能性があります。2011年、アメリカのブリストル・マイヤーズ スクイブで働いていた研究者がタリウム塩を持ち出し、夫を殺害した事件がありました。Homocide: https://www.chemistryworld.com/news/chemist-found-guilty-of-murder/6387.article
続く2013 年 中国復旦大学の学生がはらいせで、ニトラミンの原液を持ち出し、寮の給水器に入れ、某学生を殺害した。2016年シンガポールで、産休を終えたばかりの研究員が、メタン、酸素、窒素が入ったガスタンクを操作していた所、バルブに不備があり、爆発によって死亡した事件がありました。https://www.straitstimes.com/singapore/faulty-valve-caused-fatal-jurong-lab-blast
そのため、化学品の取扱いは極めて重要です。デバイス管理:は実験用機器が正常に作動しているかどうか、定期点検が必要かどうかなどの管理になります。資産管理:アセットマネジメントとも呼ばれますが、基本的に実験室にあるデバイス、作業台、設備などを資産とし、それを管理します。
企業の流動資産や固定資産になり、損益計算書の減価償却にも関わるため、会計監査にとっても重要な管理事項となります。研究員モニタリング:は国によっては禁止されていますが、基本は研究員がSOPに従っているか?不適切な行動をしているかどうかをモニタリングするためにあります。
権限管理:誰がどのデバイス、サンプルにアクセスできるかの権限管理。実験過程のモニタリング:研究員にとって、一番大事な実験過程をモニタリングするもので、実験環境の温度、湿度、時間、デバイスへの給電安定性などを監視するものです。
サンプルモニタリング:実験対象とされるサンプルは、適切な保管と保護が必要。社名は明かせませんが、このモニタリングがずさんだったため、大金を費やして深海から入手したサンプルを、水の泡に化した事例がありました。
実験器具管理:ビーカー、フラスコ、試験管など実験に使用する器具の管理。培地調製:培地は、殆どの微生物試験の基礎となるものであり、培地品質を守ることは、試験室運営を成功させる上で非常に重要。培地調製、適切な保管および品質管理検査は、高い品質を 持つ培地の一貫した供給を保証するものである。
危険物廃棄と実験服管理は分かりやすいかと思います。
実験室環境管理:は温度、湿度の他、防塵のレベルや気圧も厳しく管理しなければなりません。食品やケミカル製品の実験室は、気圧は外部よりも高くする事で、細菌や埃が入らないようにしている。逆にバイオ系の実験室は、気圧を低くする事で、外部に細菌が出ないように設計されています。
コンプライアンス管理:はFDAや厚生労働省が取り決めたルールにちゃんと従っているかどうかの管理。先程紹介したシンガポールでなくなった方も、このコンプライアンスに満たしていない設備を使ったからとさせています。
尚、このAnalysis of laboratory incident databaseレポートによれば、2374研究員のうち、46%が少なくとも一回実験室でケガしているという事から、コンプライアンス管理の重要さをお分かり頂けたかと思います。https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0950423019302153?via%3Dihub
実験室管理に関わる基礎知識も身についた所で、Accentureが実験室のDXに関するレポートを少しみていきましょう。
Accenture世界中を変えるような利益をもたらす治療法や新製品は、何千もの実験室で開発されていますが、これらのラボとその中の機器のほとんどはネットに接続されていない孤島となっている。
つまり、DXが必要なのは、何も日本だけの話ではありません。サーベイを見てきます。ライフサイエンス業界のリードしている128社を対象に調査を実施。デジタル戦略の成熟度からラボ内でのデジタルテクノロジーの実装レベルまで、どの程度のデジタルトランスフォーメーションが行われているかを調査した。69%の回答者は本部長クラス以上、55%は取締役やR&Dの責任者とされています。調査対象となった
128 の業界リーダーのうち 40% が R&D または QC ラボへのデジタルの適用に着手しておらず、さらに 37% がまだパイロット 段階にあることがわかりました (図 1 を参照)。23%の企業はDX規模を拡大するとし、そのうち 70% が、期待されるビジネス価値を達成したか、それを上回ったと答えています。
製品とプロセスの品質に人の命がかかっている業界では、この規模の変化は、リスクと人的要因を念頭に置いて管理する必要があります。ラボのDXは3つのフェーズで進められるべきだと考えている。
初のフェーズは「基礎」をしっかり築く事にあります。ここでの優先事項には、アプリケーションの簡素化、数値と情報のデジタル化、デバイスのコネクト、自動化などが含まれます。次のフェーズは「変革」です。現代のデジタルラボで見られる明確な傾向は、分離されたモノリシックシステムから、クラウドベースのプラットフォームへと移行しています。
ビジネス変革を狙うこのフェーズに、共通のユーザーインターフェイス、強化されたセキュリティ、データアクセス、機器設備統合の能力が求められます。これにより、分析を活用した洞察、エコシステムのコラボレーション、強化されたワークフローとコンプライアンスが可能になります。
第三フェーズ割愛させて頂きます。基礎フェーズもままならない企業にはまだ遠い話である事と、世界的にもまだそこまで手が回っていない事にあります。この調査結果にもあるように、大抵の企業は第一フェーズの運用改善を達成することを目標としています。さて、こういった情報を踏まえた上で、この業界の問題点を見ていきましょう。
Problem
問題は大きく二つあります。アナログである事と、デジタル化されたデータが孤立している事です。これらの写真をご覧頂ければ、お分かりいただけるかと思います。サンプルや化学品管理は手書き、デバイス管理も手書き、実験室環境のモニタリングがない状況で、管理者がトレース出来ないのみでなく、潜在的な危険を防げません。
例えば、AさんがX化学品を50ミリリットル使用したと記入、でも実際はY化学品も30ミリリットル使用したが、記入していなかった。デバイスの状態を手書きで残したが、時間が立つにつれ、状態が変わった事を更新していない、または出来ない事で、その後の使用に支障をきたしたり、サンプルが変質してしまったりすることもあります。
この問題を解決しなければ、日に日に厳しくなっていくコンプライアンス要求を満たす事が出来ません。安全性は実験室にとってもっとも重要であるためです。
効率の面に関しても、アナログで実験室管理するのは問題が大きい。例えば某サンプルを冷凍装置から取り出す際に、そのサンプルのありかを探さなければなりません。そうしている間、その冷蔵装置に入っているサンプルにも温度差による影響を受けます。液体水素で保管されているサンプルの取り出しはもっと複雑です。こういった改善は単に作業効率向上のみでなく、実験結果の精密性と正確性にもつながります。
確かに各メーカーはデジタル化を進めていますが、それはあくまでも自社製品のみに対応。現場作業員が様々なシステムの使用方法を学ばなければならないのは致し方としても、メーカー毎のシステムを統括出来ないのは、有効かつ実用的な実験室の管理には繋がりません。
まして、既に使用している多くのデバイスや機材はデジタル化に対応わけではありませんし、それらは全て新しい製品に買い換えるのは現実的ではないと思います。それでは、ジョンソン&ジョンソン、BASF、サントリー、メルク製薬、SGSのみでなく、実験室デバイスメーカーであるパナソニック・ヘルスケアやサーモフィッシャーも採用しているソリューションについて紹介致します。まず、この100秒前後のビデオを見ていきましょう。
Solution
このソリューションの大きな利点として三つあります。安全、効率そして使いやすい。実験室の環境モニタリングし、状況に合わせてアラーム通知を送りします。サンプルの安全性について、温度のみでなく、ドアの開け閉めの情報も管理できるため、然るべきアラームを通知できます。
そして関連のレポートも一緒に通知いたします。さまざまなデバイスのモニタリングが出来るため、様々な状況に対応できます。例えば個別装置の消費電力をモニタリングすることで、不具合の可能性を探しだし、事前に装置の故障を防ぐことにつながります。レポートやアラームの通知に関して、管理者が設定した権限に基づき、通知を受け取る人員を決められます。
効率の点に関して、限られた時間内に沢山の任務を完成しなければならない研究者は、実験室内の状況概要、各装置のステータス、空き時間をリモートでも確認できる他、実験室にいなくても、デバイス使用予約とスケジューリングが組めます。実験過程に何かあった際でも、オンライン上で簡単にベンダーに要望を伝え、対応してもらえるようになります。
いちいちシリアル番号を探す必要がなく、電話でベンダーに対して細かい説明しなくても良いため、研究者が省けた時間をもっと重要な任務に費やせます。実験室の管理者は、各デバイスの使用の状況、時間、効率の確認が容易にできるため、簡単にリソースの割り当てが出来る他、予算管理や申請も効率よく行えます。
実験室全ての管理データを孤立させることなく、一つのプラットフォームに集約することが出来ます。それによって、確たる数値に基づいた計画及び意思決定が行える上、データをさらに掘り下げることで、様々なインサイト、リスク回避、改善の余地、ビジネスチャンスなどが浮き彫りになります。
管理者は簡単にレポートをカスタマイズして、エクスポートすることが出来ます。全てのデータは安全に保管され、アクセス記録及び追跡できるだけでなく、様々なコンプライアンスにも対応しています。
フォーチュン500のような企業が採用しているのみでなく、パナソニック・ヘルスケアやサーモフィッシャーも顧客にこのソリューションを通じて、実験室のDX化サービスを提供。そうすることで、Problemで紹介した「データ孤立」問題を解消できるため、顧客のDX化に大きくサポート出来るようになりました。
実際の事例を見ていきましょう。これは実験室で使われてる冷蔵装置ですが、手書きでデバイスの使用状況を記入にしてました。DXソリューションにある温度センサー、ドア開け閉めセンサー、消費電力監視アダプター、デジタル化の状態タグを装着し、データ同期デバイスを通じて、DX化を達成。装置の状態をリモートでも確認でき、状況に合わせて適切な対応を迅速に取れる体制になりました。
定量化出来る実際の効果はどうでしょう?70+以上の機器使用率の監視、障害警告及びライフサイクル管理、備品の予約と共有、Webやアプリで管理出来るようになれば、正確なデータに基づいた部品調達とメンテナンスが出来るようになり、設備の稼働率が50%アップ、故障率 35% 減、修理コスト 30% 減、ダウンタイム も 25% の削減となりました。
化学品在庫管理も手書きだった所を、重量測定出来る棚に変え、RFIDを化学品につけ、DXソリューションのターミナルを使用することで、誰が?いつ?何を?取り出した事が分かる他、誰が?いつ?どのくらい使った?後に戻した事も分かりますし、当然管理者にも一目瞭然となります。結果として、システム使用効率が 50% 向上、インベントリー4人必要な所を1人に、在庫数も20%削減する事が出来ました。
気体管理も人手による作業でしたが、それを画像認識のAIを駆使することで、メーターの情報をデジタル化できます。その他、研究員がSOPに従っているかどうかも、モニタリング出来るようになります。結果として、このDXソリューションを採用することで、一年内に一度ガス (CO) の漏れを防止、三度火災を未然に防ぎ、5回冷凍庫/インキュベーターの故障によるサンプル損傷の潜在的リスクの早期警告、二度実験中のガスボンベの故障リスクの早期警告に繋がりました。
現状設備を変えずに、継続使用できる事が該当DXソリューションの大きなメリットでもあります。続いては具体的な顧客事例を見ていきましょう。
このアメリカ企業聞いたことがない日本人はいないと思います。2018年の時点で、彼らは低温装置の状況を手書きで記録しておりました。このDXソリューションを導入したことで、装置の状態を自動記録し、デジタル化したデータを簡単にモニタリングおよびトラッキングができるようになりました。
2020年では化学品の取扱いについて大幅に管理が改善されました。キャビネット内にある化学品の数量、種類、残量、そして誰がいつ、何を、どれくらい使ったという情報を全てデジタル化したことで、コンプライアンス、在庫管理、作業効率が大幅に改善されました。2022年では細胞サンプルの管理もDX化し、サンプル保存の品質、取扱いの効率及び正確性の改善結果は明らかで、引き続きDX化を進めていくと決めています。
こちらは日本人皆知っている日本企業で、恐らく皆さんもよく飲まれているメーカーかと思いますが、彼ら当初の要望は在庫管理の改善。食品会社ですから、食品安全のための実験を沢山行う必要があります。その実験に使われる化学品の取扱い、管理、入出庫効率などに悩まれていました。このDXソリューションを導入したことで、700 種類を超える残留農薬検出の標準品のセルフサービス式管理に改善成功。
オペレーションに関しても、RFID、IoT電子ロック、制御パネルにより、誰が、いつ、何を、どれほど使用した事をDX化。二名研究員を必要とするダブルロック認証をも実装しました。在庫管理はPDAによる迅速な入庫プロセス。倉庫内すべて部品の在庫管理や棚卸も過去より数倍の効率になり、データベースにも20万以上のMSDS(化学物質等安全データシート)を管理するものを構築に成功。
その結果、保存場所、使用記録、在庫確認など迅速なクエリ機能を搭載することができました。勿論、有効期限、在庫不足、電子ロックの不正な取り外し、手動ロック解除など多種に渡るアラーム通知機能も重宝されています。
最後に、世界でもっとも有名な認証企業は、様々な企業の依頼を受け、認証を行うため、認証プロセスの効率向上及びミスが出ない仕組みをずっと模索し続けていました。このDXソリューションを導入したことで、デバイスの利用率が上がり、作業員の効率も上がりました。
管理者にとってもDX化された実験室環境により、在庫管理、実験室管理、人員管理、レポートなどの効率が格段に上がったことで、今後も多くの拠点で導入を広めると決めています。今日紹介したDXソリューションのまとめとして、実験装置モニタリング、在庫管理、コンプライアンス管理、人員管理、安全及び品質管理、そしてレポート及びデータ分析などのプロセスを大幅に完全出来るソリューションです。
実験室向けの自社開発のIoT設備を駆使し、自動化とデジタル化することで、クラウド上でデータを収集、保存、分析などを行い、最終的にウェブ、モバイル上で管理出来、アラームも電話や携帯メッセージ経由で必要に合わせて担当者に通知することで、リスク回避及びオペレーション効率を大幅に向上させるサービス・アーキテクチャとなっています。
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